れを極めて自由に書きこなしたものです。最初の話「ゴーゴンの首」は「メヅサの首」といった方が分りが早いかも知れません。二番目の「何でも金になる話」は、慾ばりのマイダス王の話で原作の表題は THE《ザ》 GOLDEN《ゴウルドン》 TOUCH《タッチ》 ですが、「さわるものすべてを金にする魔力」という意味を漢字などであらわすと、よけいにむずかしくなるので、ちょっと変えて見ました。第三の「子供の楽園」は「パンドーラの箱」の話。第四の「三つの金の林檎」は英雄ハーキュリーズ(ヘラクレス)がヘスペリディーズの庭の金の林檎を取りに行く話です。第五の「不思議の壺」は「何でも金になる話」と共に、この本の中では最も教訓的なものですが、作者ホーソンのやさしい、正しい、そしてきびしい一面が、よく出ていると思います。最後の「カイミアラ」は青年英雄ビレラフォンが、天馬《ペガッサス》を得て、怪物カイミアラを退治する話です。ところが、ギリシャ、ローマの神話を読んで見ると、面白いことには、ビレラフォンを助けてカイミアラを討たせた、世にも美しい天馬ペガッサスは、パーシウスに首を落された、あの怪物メヅサの胴体から生れたとい
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