娘は瓶に水を汲んでいました。
『今になって思い出したが、』と老人は言いました、『わしはまだ全くの若者だった頃、一度この翼のある馬を見たことがあるよ。しかし、その時分には、この馬も今の十倍も立派だったがなあ。』
『わしはこの馬の三倍の値打のある荷馬車馬を持っているよ!』と百姓男は言いました。『もしもこの小馬がわしのものだったら、第一にわしはその翼を剪《はさ》んでしまうね!』
 しかしあの気の弱い娘は何も言いませんでした。というのは、彼女はいつも、こわがらなくてもいい時にこわがるようなことになってしまうのでしたから。そんなわけで、彼女は逃げ出して、水瓶をひっくりかえして、それをこわしてしまいました。
『あのおとなしい子供はどこにいます?』とビレラフォンは尋ねました、『いつも僕の傍にいて、決して信念を失わず、飽《あ》きもしないで泉の中を見つめていたあの子は?』
『僕ここです、ビレラフォンさん!』とその子供は、やさしく言いました。
 その小さな子は、実は、毎日々々ピリーニの泉の傍で、彼の友達が帰って来るのを待っていたのですが、ビレラフォンがペガッサスに跨がって、雲の中からおりて来るのを見ると、
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