もはなれたアイオバティーズ王のところまで聞えて来て、王様は玉座ががたがたと動き出すほど震えたくらいでした。
『ああ、ああ! カイミアラが、きっとわしを呑みに来るのだ!』と、可哀そうな王様は思いました。
 その間に、ペガッサスはまた空中に止まって、憤然としていななきましたが、その眼からは、すきとおった水晶のような火花が、ぴかぴかと飛び出しました。カイミアラの気味の悪い赤いような火とは、なんという違いでしょう! 天馬の勇気は、全身に湧き立ちました。ビレラフォンもまた同様でした。
『お前ひどく血が出るか、不死の馬よ!』若者は自分の痛手《いたで》よりも、今まで痛さというものは味わったことのない筈の、この栄光ある動物の苦痛の方を心配して、叫びました。『この傷の仕返しとして、憎むべきカイミアラの最後に残った首を討取ってくれん!』
 そこで彼は手綱を振って、大音声《だいおんじょう》をあげて、今度は斜《ななめ》に向わずに、怪物のおそろしい真正面めがけて、天馬を進めました。その進撃はあまりにも速く、はっと思う間に、もうビレラフォンは彼の敵とがっぷりと組んでいました。
 二番目の首を落されたカイミアラは、
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