を持ちたいものでございます。
 作物を栽培するにせよ、家畜を飼うにせよ、さては工業から商業にいたるまで、ないしは皆様の御専門の土木事業に至るまで、一方にはそこの風土を調べ、一方にはその作物、家畜、製作品、土工の性質を究め、できるだけその両者の調和し融合するようなものを選択し、取込んで来るということが、言い換えますれば、きわめて自然に近いような形に整えて行くということが最も意義のある地方開発というもので、われわれ人間はただ素直に一種の「触媒」としての役割を持っているものとして考えておってこそ、真に人間としての、すなわち天命の役割を果たし得たものと私は考えかつ信じているのでございます。
 要するに、自然を征服するどころの話ではない。また、もちろん征服のできるものでもございません。否、かえってその「自然を生かそう」とする思想こそ、きわめて大切であると考えたいのでございます。そうしてそれが、やがて、真に力強くわれわれ「人間の生きる途」ともなるわけでございます。そうしてまた、真にそれを生かす、これをわれわれ人間本位の言葉で申しますと、「利用する」ためにはすべてそれをその大自然に聞いて、すなわち順
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