「着《お》ち|つ《つ》いた」はママ]もので、
『おい、ペンペよ。いまごろ気《き》がついたか。おれも腹《はら》が減《へ》つてきたので、自分《じぶん》の眼玉《めだま》を片方《かたほう》抉《えぐ》りだして喰《く》つてるのだ。それにしばらくすると、また元《もと》どほりに眼玉《めだま》がちやんと出来《でき》てくるから奇妙《きめう》なものさ。』
そして格別《かくべつ》の味《あぢ》だと言《い》はんばかりに喉《のど》を鳴《な》らした。寒《さむ》さも寒《さむ》さだが、自分《じぶん》の眼玉《めだま》がたべられるなんて聞《き》いたので、思《おも》わずブルルッと身震《みぶる》ひしたペンペは、さつそく片方《かたほう》の眼玉《めだま》をたべてみた。なるほど旨味《うま》い。いくらか元気《げんき》も出《で》てきたので、ラランについて上《うえ》へ上《うえ》へと飛《と》んでゐた。すると間《ま》もなく先《さき》にゆくラランが前《まえ》のやうに喉《のど》を鳴《な》らしはじめた。ペンペは気《き》が気《き》でない。
『ラランよ、今度《こんど》は何《なに》をたべてるのか。少《すこ》しでいいから分《わ》けてくれよ。腹《はら》が減《
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