やすまるよう遠《とお》のいて、身辺《しんぺん》の平和を守るか(この際|扶養《ふよう》の責任あらば、それだけは物質だけでも果《はた》すべし)、さもなくば、妻は身をもって円満に尽《つく》し、親、親類に夫の折合《おりあ》い悪《あ》しき部分を補《おぎな》うべし。
(9)[#「(9)」は縦中横] 失業している夫
妻の身の自分が内職でもして家計を立てようとする努力とともに、失業状態にある夫の心は、とかくひがみ[#「ひがみ」に傍点]易《やす》くなっていますから、妻は平常より寧《むし》ろ夫を敬愛《けいあい》する態度に出《い》でよ。夫は心明るく次の職業を探す勇気に向《むか》えましょう。
(10)[#「(10)」は縦中横] 大酒家《たいしゅか》の夫
何かほかの嗜好物《しこうぶつ》に転換させるか、もし万《ばん》不可能な時は、妻自身大酒をのむか、但《ただ》しはのみたる振《ふ》りで酔《よ》っぱらって困らせて見せるか、知人の大酔家を、夫のしらふ[#「しらふ」に傍点]の時に夫の眼の前へ連れて来て見せしめにするかです。
(11)[#「(11)」は縦中横] 移り気の夫
正当に警戒《けいかい》し、懇願《こんが
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