ん》して見ても駄目《だめ》でしたら、妻自身も移り気の振りをして見せしめてやりなさい。それでもだめならあきらめるか、別れるか、どちらでも。

(12)[#「(12)」は縦中横] 家にばかりいる夫
 家にばかり夫がいて困るのでしたら、散歩や活動に妻が誘って御覧《ごらん》なさい。嫌だと云ったら妻一人、夫を家へうっちゃって出て寂しがらせて御覧なさい。手のない家でしたら、盛んにお使いでもおたのみなさい。

(13)[#「(13)」は縦中横] 家事に口出ししすぎる夫
 家事に口を出し過ぎる夫に困ったら、一週間|位《くらい》そら[#「そら」に傍点]病気をして、夫に家事|万端《ばんたん》の世話をやかせ、負担に堪《た》えない経験をさせたらどうですか。お客の前などで、だしぬけにあれを出せ、時ならぬ時分《じぶん》にこれはないかと、喰《た》べものなど主婦の予算以外な注文をする夫をこらしめるためには、あとでその時の費用を誇張《こちょう》し、また労力の超過《ちょうか》をしめすため、そら[#「そら」に傍点]病気でもして見せます。

(14)[#「(14)」は縦中横] 職業婦人の夫
 職業婦人の夫はそれこそ妻に思いや
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