たりのことまで見当がつくけれど其《そ》の先は考えても判《わか》らない。考えると頭が痛くなるから止《よ》す。
○ついでに洗う洗濯物が無くて、お湯にどっぷり入るときくらい嬉《うれ》しいことはない。
○「どうしてこう心配事が出来ない性分《しょうぶん》だろう。もっとも心配事があると直《す》ぐレコードをかけて直ぐ紛《はぐ》らかしちまう癖《くせ》があるんだけれど。」
○牡丹《ぼたん》や桜のように直ぐ散ってしまう花には同情が持てない。枯《か》れてもしがみ付いている貝細工草《かいざいくそう》や百日草《ひゃくにちそう》のような花に却《かえ》って涙がこぼれる。
○ラグビーを見ているときだけ男の魅力を感ずる。
○子供は少し不器量なのが好き。
○「自分ながら利口《りこう》過ぎるのが鼻につくから、少し馬鹿になる稽古《けいこ》をしようと思うんだけど。」
○お金があると、ついお友達と円タクに乗ってしまって。
○大概《たいがい》な事は我慢《がまん》が出来るけれど。鈍感《どんかん》なものだけはトテモ堪《たま》らない。
○ジャズの麻痺《まひ》、映画の麻痺、それで大概の興味は平凡なものに思える。始終《しじゅう》習慣的に考え
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