現代若き女性気質集
岡本かの子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)描写《びょうしゃ》であり

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 これは現代の若き女性気質の描写《びょうしゃ》であり、諷刺《ふうし》であり、概観《がいかん》であり、逆説である。長所もあれば短所もある。読む人その心して取捨《しゅしゃ》よろしきに従い給《たま》え。

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○彼女はじっとして居《い》られなくなった。何か試《こころ》み度《た》がっている。自分を試《ため》して見度《みた》がっている。自分の市場価値を。
○「恋など馬鹿《ばか》らしくて出来《でき》なくなりましたわ」と言う。「けれども愛の気持ちだけは失い度くありません。」
○彼女に取ってスピーディで無いものは魅力《みりょく》が無い。それで退屈な時は、せめて街の自動車を眺《なが》める。
○「結婚? そうね。出来るだけ我儘《わがまま》をさして呉《く》れる男か、それとも絶対的に服従させられる強い男とならばね。」
○チョコレートを
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