の所有にしてやる
そして君を美しい人間にさしてやる
僕の物になつてこそ君は初めて女として生きられるのだ
ただ若くあれ
おお君よ
年寄じみてはおしまひだ
若くあれ若くあれ
この人生にちよつとでも油斷したら
すぐ年をとらされる
それだけこの人生には實にいけないものがあるのだ
そして人間は弱いのだ
自分はいつでも若い
惡いものに抵抗力が強い
どんどん若い力でその惡いものを
元氣のよい命の充ちたものに
かへて行く
ああ若くあれ
若くあれ
勞働者に與ふ ――八月九日
君等に代つてこの歌を
叩きつける
君等が地盤へ
つるを打込むやうに
君等に代つてこの歌を
叩きつける
ああ勞働せよ
勞働せよ
一切がつさいまのびて
だらけて
力拔けてるこの人生に
魂吹つ込む力は諸君の腕にある
ああ歌をうたへ
歡喜するのだ
自分等の使命を
君等僕等は
この大地へ鶴嘴《つるはし》でぶつつける
一面なにあるとも知れない
平々凡々な
大平面盤
ここから掘り出し
えり出し
よいものを作る使命は僕等にある
僕等は斯くも貴い人間だ
僕等の貴いことは僕等はから手であることだ
裸百貫でよいものをぐいぐい作つて行くことだ
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