て岩村県令に対しても、さほど遠ざかるというでもないが、他の同郷人の或る者ほどには親しくないようになった。それが新来の関県令には聞こえていたので、貴公はそのまま学務課長に居てもよいというような内諭があった。けれども、今までの同僚で、殊に同郷人は多く東京へ行くし、また椅子を並べる課長等は新顔も多くなるという事になっては、なんだか、そのまま落着いている気もしないので、終に東京へ転任したいという事を答えた。しかし他の同郷人は岩村氏の転任した内務省へ幸と採用されたのだから、官等はそのままで行く事が出来たが、私は学務課長で転任するなら文部省である。文部省は私に対して何らの縁故も無いから、来るなら今までの二等属を四等属に下げねばあき場がないという事であった。そこで私も少し困ったが、何しろ今までのままでは居たくないので、終に決心して四等属を甘んじて、いよいよ文部省へ転任する事になった。ちょうどこの年の七月であった、大書記官の赤川※[#「韻/心」、288−10]介氏、これは長州人で別に民権主義でもなかったが、長官が代るにそのまま居るのも、難儀だと思ったものか、転任させてもらうことになって、この転任先きは
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