下へ敷かせて、その膝の上へ大きな石を乗せる、二ツ三ツと乗せると、膝は上下で圧迫されて痛むから白状する。まずこれらの拷問を普通にしたもので、その他にも種々の拷問器具が置いてあったが、これは威かしのためで多くは用いなかった。そこで、今いったような拷問を私も隙見をせねばならぬことになったが、最初は見るに忍びず、また少しは怖いような気もしていたが度重ると、もう何の感もなく、強情な奴にはまだ少し強く責めてやってもよかろうという感を持つようになった。人間の残酷性はつまりかような習慣から養成されるのである。また或る時、かつて私の知っていた士分で某という人が、藩の紙幣の贋物を造ったというので訊問に遇った。隙見だから私の顔は見せないけれども、その人の顔は充分に見えるので、多少気の毒な感がした。これも正権少属が主任となって調べたが、士分の事であるから、最初は椽先へ薄縁《うすべり》を敷いて、そこへ脱刀した袴姿で坐らせて、段々と訊問したが、存外包み隠さず、ありのままを申し立てたのであった。その翌日また隙見をすると、最う某は袴も脱がされて、白洲の筵の上へ坐らせられて、なお問い残りの事を問われていた。これは士分の
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