に熱心に従事した。この頃の藩の軍隊は、蘭式を改めて英式となしていて、士分から卒に至るまで一様に従事させていた。けれどもいずれも熱心がない。それもそのはず、隊長たる者はやはり従来の家柄の老人や半老人で、号令のかけ方さえ、自分にも判らないから、その日のかけ声を扇子へ記して置いて、それを窃に読みながら進退を指揮するという風だから、隊兵の方からも充分馬鹿にしており、従って進退駈引等に号令が懸ってもぐずぐずしていたから、あるいは右向けといって、左向くやら、止れといってもまだ進むというような、不規則至極なものであった。私はそれを見て頗る憤慨したから、同じ隊中に立っても自分だけは本気にやっていた。今も記憶しているが、隣りに居た、背の低い某氏が号令を聞き誤って向きを違えた際、鉄砲を私の頬へ打ち付けたのでなかなか痛かった。そうしてこの頃の服装はやはり袴の股立ちを取って、尻割羽織を着て、頭には塗り笠を頂き、腰には両刀を佩びていた。私はこんな体裁ではいかんと思って、洋服一着を買って、それで出るつもりでいたが、まだ着ないうちに改革があって藩政に参与する事になった。この明治三年は朝廷から再度の藩制の改革があって
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