六ツ時から午後の八ツ時まで、八ツ番というのが八ツ時から夕の六ツ時まで、宿番というのが六ツ時から翌朝の六ツ時まで、互に交代したものである。そうして宿番は宵のうちこそ世子も起きられているがその後寝床へ入られても、小姓は不寝番というをせねばならぬ。そこで宿番を宵前、宵後、暁前、暁後と四ツに別けて、代りやって不寝番をする。この不寝番は一人で、他に介というが一人ある。世子が夜中厠に行くといわれると、不寝番が、直に寝ている介を起して、二人でその用を勤めるのである。僅かな距離の厠でも、一人は脇差を持っていて、厠に入られた間はその外に待っている。モウ用達が済んだらしい音がすると、一人は厠の中の手洗鉢のある所まで行って、世子の手へ水を濺《そそ》ぐ。それから床に入られると、もとの如く一人は起きて、一人は介だから寝るのである。この不寝番は、以前はそんなこともなかったらしいが、世子の側に附くものは、文武を励まねばならぬというので、不寝番でも読書することは許された。尤も黙読である。また寒中は火鉢を置くことを許されたのみならず、ちょっとしたドテラ見たようなものを背に着ることも許されていて、それを御不寝羽織といった
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