的精神を排斥し、一切「感情の意味」を殺してしまう。故に科学にかかっては、道徳も宗教も型なしであり、知性の冷酷の眼で批判される。実に科学は、人生から「詩」を抹殺《まっさつ》することにのみ、その意地あしき本務を持ってるように思われる。しかもこの科学的精神が、宇宙の不思議に対する詩的驚異と、未知の超現実を探《さぐ》ろうとする詩感に出発していることは、何という奇妙な矛盾だろう。けだし科学は、詩的精神の最も大胆な反語であって、その否定するところのものから、逆に他の「夢」を創ろうとするのである。故に科学のあるところには、常に飛行機があり、磁力があり、ラジオがあり、電信があり、不断の新しき発明と夢とがある。もし科学が無かったら、人生はいかに退屈にして変化がなく、夢のない単調のものになるであろう。そしてかく考えれば、科学こそは「詩の中の詩」であるとも逆説される。
かく一般について観察すると、宗教も、道徳も、科学も、人生の価値に於けるあらゆるものが、本質に於て皆「詩」であり、詩的精神の所在として考えられる。実にこの本質上の意味に於て、詩は人生の「価値一般」であり、あらゆる文明が出発し、基調するところの
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