カルな形式を指すからである。したがってこの形式主義に対する内容主義は、それ自ら表現上の自由主義を意味している。自由主義と内容主義とは、芸術上の言語に於てイコールである。
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第七章 情緒と権力感情
吾人《ごじん》が普通に「感情」と言ってるものは、気分色合を異にしているところの、二つの別趣のものを包括している。一つは所謂《いわゆる》「情緒《センチメント》」であって、優雅に、涙もろく、女性的な愛情に充ちたものである。これに対して他の一つは、男性的な気概に充ち、どこかに勇気を感じさせ、或る高翔感《こうしょうかん》的な興奮を伴うもので、普通に「意志的感情」もしくは「*権力感情」と呼ぶものである。
そこで人間のすべての詩は、所詮《しょせん》この二つの感情の中、何《いず》れかを発想するものに外ならない。古来歴史上に於けるすべての詩は、これによって情操の分類から、判然として二つの者に別れている。即ち前に他の章で言ったように、古代|希臘《ギリシャ》の詩界に於ける、「叙事詩」と「抒情詩」との対立がこれである。叙事詩はホーマーのイリアッドが代表し、抒情詩はサッホ
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