あるとし、柳田國男氏はこれを「算所」と判斷して算木卜占術を業とする特殊民であるとした。然し私は矢張り之れを普通に考へて産所即ち出産に關する諸種の仕事、産婆産科婦人科醫的な世話をする特殊部落であると信じたい。出産をけがれとする思想は日本民族固有のもので、彼等が一般聚落の地から稍※[#二の字点、1−2−22]離れた處に産屋を建てて産婦を別火せしめた事は古事記以來の文獻に著しい古俗である。して見れば葬送のけがれにたづさはるのを業としてゐた土師部がやがて先述のやうな經濟的事情と社會生活の分業的發達とに依つて出産のけがれにもたづさはるやうになるのは自然の數ではなからうか。然も文化の進展と共に、算木卜占術を傳習して算所となり、更に社寺豪族に隷屬する下賤の奴僕となつて散所と呼ばれたのであらう。此の三つは一つのものの分化と見るべきで、決して別種の存在ではなかつたに違ひない。それのみでなく産所のうちにはまた祝言遊藝を業とするものが現はれ漂泊の傀儡子と混淆した。或はこの混合に依つて傀儡子は同じ特殊民の部落である産所に定住の地を求めるに至つたとも考へられる。西宮産所や、淡路市村の産所の傀儡子部落はかくして成
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