淡路人形座訪問
(其の現状と由來)
竹内勝太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)欄干《てすり》を

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)廣田村|中條《なかすぢ》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)稍※[#二の字点、1−2−22]

 [#…]:返り点
 (例)爲[#二]征罰無事御祈祷[#一]

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)之由風聞[#(ス)]
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         一、地元踏査

 一月十日雪の後の睛れやかな明石海峽を渡つて洲本へ上つた。同行三人、榊原紫峰君と青年畫家の片山君。とつつきに遊女町があるのも古い港の情趣であらう。既に夕闇が迫つゐるので外出を斷念した。地圖をひろげて明日の踏査のプランを考へ、曉鐘成編「淡路國名所圖會」その他を調べて二三準備をするにとどめた。
 同夜は宿を頼んだ同好の士島醫學士の厚意に依つて、特に三條村から操座を招いて、同家二階座敷に欄干《てすり》を急造して演出して貰つた。これは淡路でも最も古い上
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