相な程御世話燒きだ。
猫に袋をかぶしたり、ふろしきを冠せると
すぐとつてやらずにはゐられない
一生懸命になつてとらうとする
とれないと泣き出す
とつてしまつて猫を見ると非常に喜んで笑ふ。
今日も襖の明いて居たのを妻にしめさせると、
それが小供には氣に入らなかつた。
で又襖を明けさせた。
今度は自分で明けさせたと思つて? 泣き出した。
それが胸の中から一生懸命である。
氣にして居るのだ。
本能的にするのだ。
變つた事が恐いのだ。
危險な事が嫌ひなのだ。そのまゝ無邪氣な事が好きなのだ。
自分の小供は生れて未だ一年になつた許りだ。
小供は實に潔白だ。いゝ加減な事が嫌ひである。
小供の氣に向かない事をさせるのは惡いと思ふ。
可愛相だ。大變心配する。
かう云ふ氣性を失はないで育つてくれると面白いと思ふ。
然し餘り可愛相な氣もする。
[#地から1字上げ](一七、九、八)

  靴を買ひに

御母さんに手をひかれて
小供は靴を買ひに行つた。
たつた二日で初めて買つたズツクの靴を破つてしまつたので。
今度はもう少しいゝのを買ひに。
白い洋服に麥藁帽、赤い靴下をはいて
ぬかるみを拾ひ/\チヨコ/\歩いて
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