ゆく
赤い足の白い鳥のやうに
お尻のところからパツとひろがつた服を着て
町へ買物に御出かけ。
無邪氣な女と小供よ。
氣をつけて行け危いから
よつぱらひに會はないやうに。
荷車にひかれないやうに
[#地から1字上げ](一七、九、八、愛の本所載)
○
今日は何と云ふ晴天
風があるので日の光はすさまじく
何となく神祕的なまよはされるやうな日だ
空はまつさをにまよはすやうに
地上のあらゆるものは亂れて輝き溢れる。
[#地から1字上げ](一七、九、八、愛の本所載)
○
小供がものを食べる時を見て居ると恐くなる
本能そのものを見るやうだ。
恐いやうに食べる。
どんなものも噛み碎き嚥み下ろし飽くを知ら無い恐さを感じる。
異樣の恐さを感じる。
ドーミヱを思ふ
寢床の中で
小供が仰向けになつて怒つて泣いて居る
口を一杯に開けて
涙が兩眼から眞赤な頬に溢れて濡らしてゐる
小さな顰んだ顏の眞中に
鼻が小高く突立つてゐる。
面白い恰好だ。
ドーミヱを思ふ。
此世の空氣の中の一つの光景。
[#地から1字上げ](一九一八、二、三日)
小さき金魚
となりの人は引越した。
主人が發狂し
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