も好んで接吻を求め
或は兩手を祈るやうに組み合はして口のところへ置き
持つてる物をとらうとする時
奪ひとらうとすれば爭つて離さず
手を合して頂戴をすればいそいで與へる
この本能的な動作は實にシンプルで貴い
教へられ無いでする
接吻や合掌である。
自分は子供の天性の中に
過去が現在となり未來となつて
永遠に連つて行くものを見る氣がする。
[#地から1字上げ](十一月二十四日)
朝飯
朝、家の中に日の光りが舞ひ込んで來て
天井に輝く
その下に食卓を竝べて
妻と自分と子供と坐る。
妻は自分達の食べ物を一人で働いてよそつて呉れる
自分と子供とは待ち兼ねて手を出す
この朝は少しも寒いとは思は無い。
皆んな默つて食べ初める。靜かだ。
思はず祈りたくなる
顏に力がこもつて幸福だと默つて思ふ。
妻はいろんなものに手を出す子供をちよいちよい叱る
子供も負けて居無いで小ぜり合ひをやる
日は暖に天井で笑ひ室内に一杯になる
[#地から1字上げ](十一月二十日)
夕暮
夕暮、日はもう沈んで
足の踏み場も無く
亂雜な地上となる。
何に躓くか分らない程暗く
すばやく背景のとりかへられる
大きな劇
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