んで來て
とまり、輕く調子をとつて姿勢を正した。
大きな淋しい空に對して鋭い對照をなして、憎いほど大膽な雀よ。
恐れを知らない雀よ。
同時にあとからあとから、屋根を離れて幾羽も飛んで來た。
然うして枝渡りして彼はどこかへ行く。
どこへ行くのか。
少しぼつちの群れで。
白犬よ
白犬よ
立たなくてもいゝ。其儘で居よ
俺を見て逃げなくてもいゝ
そこは人の來ない空地だ。
御前の世界だ。
久しぶりの御天氣に
汝ものう/\してるな
腹もいゝと見えるね、
呑氣な白犬よ
安心して遊べ
人氣の無い空地の日和に
そこはお前の世界だ
御前がさがしたうまい場所だ。
そこなら誰も來はしない
俺はそこを占領しようとは思は無い
歸つて來い、白犬よ
そんなに殘り惜し相に去らなくてもいゝ
俺はいたづらはしない、大丈夫だ。だまし打ちはしない。
歸つて來い、
御前は逃げるね、口笛を吹いても
よし、よし、俺は外へ行く
外へ行つていゝ所を御前のやうに目つける、
白犬よ
俺に構はず戻つて來い。
臆病な魂
俺の飼犬が捕つたと知らせに來てくれたので
飛んで行つて犬殺しの箱車を覗いた時
毛臭い、暗い匂ひがプンとした。
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