静廼女
(ロ)[#「(ロ)」は縦中横]雪道や降誕祭の窓明り 久女
(ハ)[#「(ハ)」は縦中横]水汲女に門坂急な避暑館 同
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(イ)[#「(イ)」は縦中横]、新年宴会か何ぞの光景で、大花瓶を前の知事夫人を中心に笑いさざめく福引の興。
(ロ)[#「(ロ)」は縦中横]はクリスマスの光景で、空にはナザレの夜の如く星が輝き会堂の明りが雪道にうつりそり[#「そり」に傍点]は鈴を鳴らして通る。かかる写実は確かに昔にない異国情趣である。(ハ)[#「(ハ)」は縦中横]は山荘がかった避暑館へ傭われた水汲女が急な門坂を汗しつつ、にない登る有様と階級意識。
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松の間の冬日にとまる電車かな かな女
ストーブや棕櫚竹客の椅子にふれ みどり
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風景にさえ西欧趣味は浸みわたっている。絨毯をしきつめた応接間。赤くもゆる暖炉。飾鉢の棕櫚竹にふれる椅子の主客とモダンな談話に打興じる。
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種痘人の椅子をすべりし羽織かな 静廼
スイートピー蔓のばしたる置時計 かな女
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