Rな奇麗な道具が燦然《ぱっ》と眼へ入って、一寸《ちょっと》目眩《まぼ》しいような気がする中でも、長火鉢の向うに、三十だか四十だか、其様《そん》な悠長な研究をしてる暇《ひま》はなかったが、何でも私の母よりもグッと若い女の人が、厚い座布団の上にチンと澄している姿を認めたから、狼狽して卒然《いきなり》其処へドサリと膝を突くと、真紅《まっか》になって、倒さになって、
「初めまして……」

          二十七

 伯母さん――といっては何だか調和《うつり》が悪い、奥様は一寸《ちょっと》会釈して、
「今お着きでしたか?」
「は」、と固くなる。
「何ですか、お国では阿父《おとう》さんも阿母《おかあ》さんもお変りは有りませんか?」
「は。」
 と矢張《やっぱり》固くなりながら、訥弁《とつべん》でポツリポツリと両親の言伝《ことづて》を述べると、奥様は聴いているのか、いないのか、上調子《うわちょうし》ではあはあと受けながら、厭に赤ちゃけた出がらしの番茶を一杯|注《つ》いで呉れたぎりで、一向構って呉れない。気が附いて見ると、座布団も呉れてない。
 何時迄《いつまで》経《た》っても主人《あるじ》が顔を
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