モ《まだる》ッこい、氷嚢を頭へ載《のっ》けて、其上から頬冠《ほおかむ》りをして、夜《よ》の目も眠《ね》ずに、例の鵜呑《うのみ》をやる。又|鵜呑《うのみ》で大抵間に合う。間に合わんのは作文に数学|位《ぐらい》のものだが、作文は小学時代から得意の科目で、是は心配はない。心配なのは数学の奴だが、それをも無理に狼狽《あわ》てた鵜呑《うのみ》式で押徹《おしとお》そうとする、又不思議と或程度迄は押徹《おしとお》される。尤も是はかね合《あい》もので、そのかね合《あい》を外すと、落《おっ》こちる。私も未だ試験慣れのせぬ中《うち》、ふと其かね合《あい》を外して落《おッ》こちた時には、親の手前、学友の手前、流石《さすが》に面目《めんぼく》なかったから、少し学校にも厭気が差して、其時だけは一寸《ちょっと》学校教育なんぞを齷促《あくせく》して受けるのが、何となく馬鹿気た事のように思われた。が、世間を見渡すと、皆《みんな》此無意味な馬鹿気た事を平気で懸命に行《や》っている。一人として躊躇している者はない。其中で私一人|其様《そん》な事を思うのは何だか薄気味悪《うすきびわる》かったから、狼狽《あわ》てて、いや、馬
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