いネー、マア御免になってサ。ほんとに仕様がないネー」
 ト落胆した容子《ようす》。須臾《しばらく》あッて、
「マアそれはそうと、これからはどうして往《い》く積《つもり》だエ」
「どうも仕様が有りませんから、母親《おふくろ》にはもう些《すこ》し国に居て貰《もら》ッて、私はまた官員の口でも探そうかと思います」
「官員の口てッたッてチョックラチョイと有りゃアよし、無かろうもんならまた何時《いつう》かのような憂《つら》い思いをしなくッちゃアならないやアネ……だから私《あたし》が言わない事《こっ》ちゃアないんだ、些《ち》イと課長さんの所《とこ》へも御機嫌《ごきげん》伺いにお出でお出でと口の酸ぱくなるほど言ッても強情張ッてお出ででなかッたもんだから、それでこんな事になったんだヨ」
「まさかそういう訳でもありますまいが……」
「イイエ必《きっ》とそうに違いないヨ。デなくッて成程《なんぼ》人減《しとへ》らしだッて罪も咎《とが》もない者をそう無暗《むやみ》に御免になさる筈がないやアネ……それとも何か御免になっても仕様がないようなわりい事をした覚えがお有りか」
「イエ何にも悪い事をした覚えは有りませんが…
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