浮雲
二葉亭四迷
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)薔薇《ばら》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)文章|而已《のみ》は
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「てへん+僉」、第3水準1−84−94]
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浮雲はしがき
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薔薇《ばら》の花は頭《かしら》に咲て活人は絵となる世の中独り文章|而已《のみ》は黴《かび》の生えた陳奮翰《ちんぷんかん》の四角張りたるに頬返《ほおがえ》しを附けかね又は舌足らずの物言《ものいい》を学びて口に涎《よだれ》を流すは拙《つたな》しこれはどうでも言文|一途《いっと》の事だと思立ては矢も楯《たて》もなく文明の風改良の熱一度に寄せ来るどさくさ紛れお先|真闇《まっくら》三宝荒神《さんぽうこうじん》さまと春のや先生を頼み奉《たてまつ》り欠硯《かけすずり》に朧《おぼろ》の月の雫《しずく》を受けて墨|摺流《すりなが》す空のきおい夕立の雨の一しきりさらさらさっと書流せばアラ無情《うたて
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