なかんざし》を挿《さ》して……お勢の……首……に……な……
第五回 胸算《むなさん》違いから見一無法《けんいちむほう》は難題
枕頭《まくらもと》で喚覚《よびさ》ます下女の声に見果てぬ夢を驚かされて、文三が狼狽《うろたえ》た顔を振揚げて向うを見れば、はや障子には朝日影が斜めに射《さ》している。「ヤレ寐過《ねすご》したか……」と思う間もなく引続いてムクムクと浮み上ッた「免職」の二字で狭い胸がまず塞《ふさ》がる……※[#「くさかんむり/不」、第3水準1−90−64]※[#「くさかんむり/(官−宀)」、第4水準2−86−5]《おんばこ》を振掛けられた死蟇《しにがいる》の身で、躍上《おどりあが》り、衣服を更《あらた》めて、夜の物を揚げあえず楊枝《ようじ》を口へ頬張《ほおば》り故手拭《ふるてぬぐい》を前帯に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]《はさ》んで、周章《あわて》て二階を降りる。その足音を聞きつけてか、奥の間で「文さん疾《はや》く為《し》ないと遅くなるヨ」トいうお政の声に圭角《かど》はないが、文三の胸にはぎっくり応《こた》えて返答にも迷惑《
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