ゃじゃうま》じゃアあるまいし、万古に品々《しんしん》も五月蠅《うるさ》い」
「だッて人間は品格が第一ですワ」
「ヘンそんなにお人柄《しとがら》なら、煮込《にこ》みのおでんなんぞを喰《たべ》たいといわないがいい」
「オヤ何時私がそんな事を言ました」
「ハイ一昨日《おとつい》の晩いいました」
「嘘《うそ》ばっかし」
 トハ言ッたが大《おおき》にへこんだので大笑いとなる。不図お政は文三の方を振向いて
「アノ今日出懸けに母親さんの所《とこ》から郵便が着たッけが、お落掌《うけとり》か」
「ア真《ほん》にそうでしたッけ、さっぱり忘却《わすれ》ていました……エー母からもこの度は別段に手紙を差上げませんが宜《よろ》しく申上げろと申ことで」
「ハアそうですか、それは。それでも母親さんは何時《いつ》もお異《かわん》なすったことも無くッて」
「ハイ、お蔭《かげ》さまと丈夫だそうで」
「それはマア何よりの事《こっ》た。さぞ今年の暮を楽しみにしておよこしなすったろうネ」
「ハイ、指ばかり屈《おっ》ていると申てよこしましたが……」
「そうだろうてネ、可愛《かわい》い息子さんの側へ来るんだものヲ。それをネー何処《ど
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