こ》かの人《しと》みたように親を馬鹿にしてサ、一口《しとくち》いう二口目には直《じき》に揚足を取るようだと義理にも可愛いと言われないけれど、文さんは親思いだから母親さんの恋しいのもまた一倍サ」
 トお勢を尻目《しりめ》にかけてからみ文句で宛《あて》る。お勢はまた始まッたという顔色《かおつき》をして彼方《あちら》を向てしまう、文三は余儀なさそうにエヘヘ笑いをする。
「それからアノー例の事ネ、あの事をまた何とか言ッてお遣《よこ》しなすッたかい」
「ハイ、また言ッてよこしました」
「なんッてネ」
「ソノー気心が解らんから厭だというなら、エー今年の暮帰省した時に、逢ッてよく気心を洞察《みぬい》た上で極めたら好かろうといって遣しましたが、しかし……」
「なに、母親さん」
「エ、ナニサ、アノ、ソラお前にもこの間話したアネ、文さんの……」
 お勢は独り切《しき》りに点頭《うなず》く。
「ヘーそんな事を言ッておよこしなすッたかい、ヘーそうかい……それに附けても早く内で帰ッて来れば好《いい》が……イエネ此間《こないだ》もお咄し申た通りお前さんのお嫁の事に付ちゃア内でも些《ちい》と考えてる事も有るんだから
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