かしらん、到底言わずには置けん事《こっ》たから、今夜にも帰ッたら、断念《おもいき》ッて言ッてしまおうかしらん。さぞ叔母が厭《いや》な面《かお》をする事《こっ》たろうナア……眼に見えるようだ……しかしそんな事を苦にしていた分には埒《らち》が明かない、何にもこれが金銭を借りようというではなし、毫《すこ》しも耻《はず》かしい事はない、チョッ今夜言ッてしまおう……だが……お勢がいては言い難《にく》いナ。若しヒョット彼《あれ》の前で厭味なんぞを言われちゃア困る。これは何んでも居ない時を見て言う事《こっ》た。いない……時を……見……何故《なぜ》、何故言難い、苟《いやしく》も男児たる者が零落したのを耻ずるとは何んだ、そんな小胆な、糞《くそ》ッ今夜言ッてしまおう。それは勿論《もちろん》彼娘《あれ》だッて口へ出してこそ言わないが何んでも来年の春を楽しみにしているらしいから、今|唐突《だしぬけ》に免職になッたと聞いたら定めて落胆するだろう。しかし落胆したからと言ッて心変りをするようなそんな浮薄な婦人《おんな》じゃアなし、かつ通常の婦女子と違ッて教育も有ることだから、大丈夫そんな気遣いはない。それは決《け》
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