計から内訳まで細々《こまごま》と計算をして聞かせれば、聞く事|毎《ごと》にお政はかつ驚き、かつ羨やんで、果は、どうしてか、婚姻の原因を娘の行状に見出《みいだ》して、これというも平生の心掛がいいからだと、口を極《きわ》めて賞《ほ》める、嫁《よめい》る事が何故《なぜ》そんなに手柄《てがら》であろうか、お勢は猫が鼠《ねずみ》を捕《と》ッた程にも思ッていないのに! それをその娘は、耻《はず》かしそうに俯向《うつむ》きは俯向きながら、己れも仕合と思い顔で高慢は自《おのずか》ら小鼻に現われている。見ていられぬ程に醜態を極める! お勢は固《もと》より羨ましくも、妬《ねた》ましくも有るまいが、ただ己れ一人でそう思ッているばかりでは満足が出来んと見えて、おりおりさも苦々しそうに冷笑《あざわら》ッてみせるが、生憎《あやにく》誰も心附かん。そのうちに母親が人の身の上を羨やむにつけて、我身の薄命を歎《かこ》ち、「何処かの人」が親を蔑《ないがし》ろにしてさらにいうことを用いず、何時《いつ》身を極《き》めるという考も無いとて、苦情をならべ出すと、娘の親は失礼な、なにこの娘《こ》の姿色《きりょう》なら、ゆくゆくは「
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