じゃア家《うち》のお客も同前の方だから」
「ハイ」
トは云ッたが、文三実は叔母が何を言ッたのだかよくは解らなかッた、些《すこ》し考え事が有るので。
「そりゃアア云う胸の広《しろ》い方だから、そんな事が有ッたと云ッてそれを根葉に有《も》ッて周旋《とりもち》をしないとはお言いなさりゃすまいけれども、全体なら……マアそれは今言ッても無駄《むだ》だ、お前さんが腹を極《き》めてからの事にしよう」
ト自家|撲滅《ぼくめつ》、文三はフト首を振揚げて、
「ハイ」
「イエネ、またの事にしましょう、と云う事サ」
「ハイ」
何だかトンチンカンで。
叔母に一礼して文三が起上ッて、そこそこに部屋へ戻ッて、室《しつ》の中央に突立《つった》ッたままで坐りもせず、良《やや》暫くの間と云うものは造付《つくりつ》けの木偶《にんぎょう》の如くに黙然としていたが、やがて溜息《ためいき》と共に、
「どうしたものだろう」
ト云ッて、宛然《さながら》雪|達磨《だるま》が日の眼に逢《あ》ッて解けるように、グズグズと崩れながらに坐に着いた。
何故《なぜ》「どうしたものだろう」かとその理由《ことわけ》を繹《たず》ねて見ると、
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