から中学へ通っていることや、深井のことや和歌子のことがはっきり身に沁《し》みて感じられたことはない。十六年の生涯における「自然の決算」であった。幼年から少年を経て青年へ移り行こうとする成長の一段階であった。
「面白くもない」彼には校長や受持の教師が映像された。彼は二人がひそかにもった好意を直感した。体操の教師の自分への態度も純粋に手紙を悪いと断定したことばかりでなしに、手紙は単に一種の手段に使われていることも分った。学校という一つの古臭いいじけた陰険な小さい争闘や啀《いが》み合いの絶えない木造の大きな箱。その箱の中へ毎日自分達は通わなくてはならないのだ。随分やりきれない。ぐず/\してはいられない。箱の主人が校長で、教員がその中でうごめきながら己をだし[#「だし」に傍点]に争っているのだ――「嫌なことだ!」「しかし――」と彼はあるすばらしい光明が内より射して輝くのに会った。それは「自然の恵める知恵光」であった。
「しかし、これは学校ばかりではない。この人生、この地球がまた大きい一つの古臭いいじけた陰険な、啀み合いの絶えない球塊であるのではないか? 自分もまた無数の生まれては死に生まれては
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