地上
地に潜むもの
島田清次郎
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)空《す》いていた。
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)度々|彷徨《さまよ》い歩いた
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#疑問符感嘆符、1−8−77]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)彼はむく/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
[#ここから12字下げ]
虐げらるゝ者の涙流る
之を慰むる者あらざる
なり ――傳道之書
[#ここで字下げ終わり]
[#改丁]
第一章
大河平一郎が学校から遅く帰って来ると母のお光は留守でいなかった。二階の上り口の四畳の室の長火鉢の上にはいつも不在の時するように彼宛ての短い置手紙がしてあった。「今日は冬子ねえさんのところへ行きます。夕飯までには帰りますから、ひとりでごはんをたべて留守をしていて下さい。母」平一郎は彼の帰宅を待たないで独り行った母を少し不平に思ったが
次へ
全362ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
島田 清次郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング