、生み殖える力も自然であった。村の人達はいつとしもなく大川村という一つの社会を組織して、ある統一を成立していた絶妙さ。お光の生家である北野家の先祖が、大川村の中心人物となったのも丁度そうした統一が完成しかけた時であった。それは、その頃の村人達は何も知らなかったが、卑しい身分から身を起こした一平民が地方に分裂していた日本の勢力を統一して、歴史上の戦国時代を最期にせしめた頃であった。血と血が入り乱れた長い年月の間にある性格、ある才能、ある体格の特徴がこの小さい村の住民達の間に繰り返されているうちに、勝れたもろ/\の血が、ある一人の子に恵まれたのだ。その一人が恵まれた体力と智力とまた努力によって村人との間にある種の優越を現わしたのだ。そして彼は富を得た。貧乏な意気地なしが彼の前に屈服した。彼は村全体を征服したくなった。そしてそれは彼にとって容易なことであった。――北野家は大川村の宗家《そうけ》である――こう彼が宣言してから、大川村は一切の権威を北野家に与えねばならなくなった。幾代の間北野家は大川村の宗家であることを村人の頭脳に浸み入らせるためにお光の祖先の意思に順《したが》って努力したことだ
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