われた、揃いの帽子ユニフォーム、靴下は黒と白の二段抜き、靴のスパイクは日に輝き、胸のマーク横文字の urachu はいかにも名を重んずるわかき武士のごとく見えた。
見物人は拍手喝采《はくしゅかっさい》した、すねあてとプロテクターをつけた肩幅の広い小原は、マスクをわきにはさみ、ミットをさげて先頭に立った、それにつづいて眉目秀麗《びもくしゅうれい》の柳光一、敏捷《びんしょう》らしい手塚、その他が一糸みだれずしずかに歩を運んでくる。
「バンザアイ、浦中万歳」
総兵衛はありったけの声で叫んだ。浦中応援隊は応援歌をうたった、手に手に持った赤い旗は波のごとく一起一伏して声調|律呂《りつりょ》はきちんきちんと揃う。
選手は入場するやいなやすぐキャッチボールを始めた、それがすむと、一同さっと散ってめいめいのシートシートに走った。やがてノックが始まった。ノッカーは慶応の選手であった山田という青年である、正確なノックは士気を一層|緊粛《きんしゅく》させた、三塁から一塁までノックして外野におよびまた内野におよぶまでひとりの過失もなかった、次第に興奮《こうふん》しきたる技術の早業《はやわざ》はその花やか
前へ
次へ
全283ページ中198ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
佐藤 紅緑 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング