に苦悶|懊悩《おうのう》の余り、暫《しば》し数行《すこう》の血涙《けつるい》滾々《こんこん》たるを覚え、寒からざるに、肌《はだえ》に粟粒《ぞくりゅう》を覚ゆる事|数※[#二の字点、1−2−22]《しばしば》なり。須臾《しゅゆ》にして、惟《おもえ》らくああかくの如くなる時は、無智無識の人民諸税|収歛《しゅうれん》の酷《こく》なるを怨《うら》み、如何《いかん》の感を惹起せん、恐るべくも、積怨《せきえん》の余情溢れて終《つい》に惨酷《ざんこく》比類なき仏国《ふっこく》革命の際の如く、あるいは露国|虚無党《きょむとう》の謀図《ぼうと》する如き、惨憺悲愴《さんたんひそう》の挙なきにしも非ずと。因って儂ら同感の志士は、これを未萌《みほう》に削除《さくじょ》せざるを得ずと、即《すなわ》ち曩日《さき》に政府に向かって忠告したる所以《ゆえん》なり。かく儂ら同感の志士より、現政府に向かって忠告するは、固《もと》より現当路者の旧蹟《きゅうせき》あるを思えばなり。しかるに今や採用するなく、かえって儂らの真意に悖《もと》り、剰《あまつさ》え日清談判の如く、国辱《こくじょく》を受くる等の事ある上は、もはや当路者を
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