す、あたかも竜《りょう》に翼《つばさ》を添うが如し、以て精巧にこれを製出し、世界の市場に雄飛す、天下|如何《いかん》ぞこれに抗争するの敵あるを得んや。しかるに事実のこれと反したるは、妾らの悲しみに堪えざる処なり、故にもし今大資本家に依りて製品の斉一《せいいつ》を計り、かつ姑息《こそく》の利を貪《むさぼ》らずして品質の精良を致さば、その成功は期して待つべきなり。
妾らここに見るあり曩日《さき》に女子工芸学校を創立して妙齢の女子を貧窶《ひんる》の中《うち》に救い、これに授《さず》くるに生計の方法を以てし、恒《つね》の産《さん》を得て恒の心あらしめ、小にしては一身《いっしん》の謀《はかりごと》をなし、大にしては日本婦人たるの任務を尽さしめんとす、しかして事ややその緒《ちょ》に就《つ》けり。
乃《すなわ》ちここに本会を組織し、その製作品の輸出に付いて特別なる便利を与えんと欲す。顧みるに妾ら学浅く、才|拙《せつ》なり、加うるに微力なすあるに足らず、しかしてなおこの大事を企つるは、誠に一片の衷情《ちゅうじょう》禁ぜんとして禁ずる能《あた》わざるものあればなり。希《こいねが》わくは世の兄弟姉妹よ、血
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