が一週年の忌明《きあ》けを以て、自他|相輔《あいたす》くるの策を講じ、ここに再び活動を開始せり。そは婦女子に実業的の修養をなすの要用ありと確信し、その所思《しょし》を有志に謀《はか》りしに、大いに賛同せられければ、即ち亡夫の命日を以て、角筈《つのはず》女子工芸学校なるものを起し、またこの校の維持を助くべく、日本女子恒産会《にほんじょしこうさんかい》を起して、特志家の賛助を乞い、貸費生《たいひせい》の製作品を買い上げもらうことに定めたるなり。恒産会の趣旨は左の如し。

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   日本女子恒産会設立趣旨書

恒《つね》の産《さん》なければ恒の心なく、貧《ひん》すれば乱《らん》すちょう事は人の常情《じょうじょう》にして、勢《いきお》い已《や》むを得ざるものなり。この故に人をしてその任務のある所を尽さしめんとせば、先ずこれに恒《つね》の産を与うるの道を講ぜざるべからず。しからずして、ただその品位を保ち、その本生《ほんせい》を全《まっと》うせしめんとするは譬《たと》えば車なくして陸を行き、舟なくして水を渡らんとするが如く、永くその目的を達する能《あた》わざるなり。
今や我が国
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