にこの附屬の成分を發見して居るし、レヴィンは人間の學習にその成分を認めて居る。
次にソーンダイクの同一視は、形態心理學に於て、ある構造は安定して居り、ある構造は不安定であるといふことに近い。ゴットシャルトは最も簡單な且つ最も普通に經驗される幾何學的圖形の再認を命ずると、その再認圖形はそれの全體的圖形によりて影響されるといふ結果を得た。即ちある構造は安定性に於て相違するから、ある構造の部分は他の構造の部分よりも遙かに分離され易く、而して新な全體の部分になりて安定を得るといふのであるが、ソーンダイクが結合する反應又は状態の質によりて結合が容易であり又は困難になるといつたことゝ相似て居るやうに思はれる。又構造の安定性は經驗の多少有無によりて影響されるものでないとのゴットシャルトの結論は、ソーンダイクと同一の事を考へてゐるともいへよう。
次に反應が役に立つといふソーンダイクの條件は、シュワルツの實驗と關係を有し、氏は反應の有用性は、その反應を含む全體の構造によるとする。構造の安定性に變化が生ずると、一定の反應がその全體から分れて表はれてくる。即ち構造の安定性が新しい反應の出現を規定するもの
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