彼の最近の考へによると、結果の法則に對して五つの新しい概念を設定してゐる。第一は附屬することで、これは二つの事物の繼續に於て、後のものが前のものに附屬することが必要である。即ちかゝる繼續は關係又は附屬を有することを意味して居る。第二は同一視で、一の状態又は一の反應が他のそれと容易に結合することは、その状態又は反應の質に關係するといふことである。即ち二つの状態又は反應の質の間に同一關係があればあるほど兩者は結合する。第三は有用で、反應が役に立ち或は喚び起され得る程度に比例して結合が容易に出來上るといふことである。第四は試行で、目的に對し不適當又は不正の反應をする場合を説明するために之の試行を用ゆる。第五は系統で、聯合的習慣を作り上げる結合傾向で、それは精神生活の根本的な動的樣式を生ずるものである。
二
かやうに述べてくると、形態心理學の主張と接近して來たかのやうに見ゆる。形態心理學によると、學習とは組織又は形態の構成であるとする。而してこの組織の構成にはソーンダイクのいふ附屬すること、即ち關係の感を包含して居るといへよう。殊にケーラーの如きは類人猿の學習
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