解釋を下す必要がある。しかし動的解釋に當りて主觀的分子、甚だしきは任意的解釋の介在してくる餘地が十分にある。今日の類型研究者の中にはこの種の弊に陷つたものもあるやうである。故にその弊を救ふには、觀察者の標準化が必要になる。かの醫師が實際彼等の判斷を標準化し、從つて彼等は豫想し、統制することが出來て居るやうに、將來の類型研究者は判斷の標準化を企つべきで、かくして彼等の判斷は高い程度の精密さに於て相互に一致するに至るであらう。
實際今日の類型研究の結果が互に相接近して來て居ることは極めて興味あることである。ユングの定めた内向と外向の型は、クレッチュマーの乖離的性格と循環的性格とに關係を有し、これ等兩氏の型はまたイェーンシュの直觀像による分類と關聯して居る。即ちイェーンシュのT型は内向型と乖離性とに接近し、B型は外向型と循環性とに關係がある。尚種々の實驗的研究、例へば單調の作業を永く持續するやうに命じ、その作業量の變化形式と前記の精神型との間に關係が發見され、幾何學的錯視圖を示し、その際に於ける圖形の動搖によりて型を分類し、筋肉的反應と體型との關係を見、手書の一定の樣式の中に共通の型の一群
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