」が正しくは「安部井」である旨を注記]磐根、神鞭知常等「非内地碓居」を標榜する大日本協会組織。
一、十二月十九日、衆議院に於て、阿[#「阿」に「ママ」の注記]部井磐椴が条約励行建議案の説明中、十日間停会の詔勅下る。
一、同二十九日、外務大臣陸奥宗光、衆議院に於て条約励行反対の演説。
一、三十日、衆議院解散。
[#ここで字下げ終わり]
「条約励行」の主唱者
君等のやうな若い人達にはこの「条約励行」と云ふことが解らない。
安政年間に締結した外国条約には、外国人の居住は特定の居留地内に制限せられ、この居留地域は治外法権で、日本の法律も警察も権力が無い。この治外法権が、日本の独立権を侮辱するものだと云ふのが、維新以来明治の政治史上に八釜しい「条約改正問題」であつた。外国人は条約上表面は居留地以外の居住が出来ないわけだが、事実は「旅行免状」と云ふ便法で、内地居住の自由もあれば、商買の自由も持つて居た。例へば宣教師が内地に教会を建てゝ定住伝道をする。山奥の学校へ外国語の教師に聘されて定住する。皆な旅行免状だ。而かもこの外人の身上には日本の法権は手を着けることが出来ない。軽井沢の外人避暑
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