盟の破壊」と題せる二号活字の長文電報なり、篠田の心は先づ激動せり、
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……憲兵巡査の強迫は正面より来り、黄金の魔術は裏面より行はれたり……
首領株三十名今夕突然捕縛せられたり、憲兵巡査の乱暴|甚《はなはだ》しく、負傷者少からず其の多くは婦人小児なり……是れ買収政略の到底効果なきより来れるものと知らる……維持費尽く、
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「首領の捕縛」「公権の乱暴」「婦女小児の負傷」而《しか》して噫《あゝ》、「維持費尽く」
 新聞|右手《めて》に握り締めたるまゝ、篠田は切歯《せつし》して天の一方を睨《にら》みぬ、
 白雪一塊、突如高き槻《けやき》の梢《こずゑ》より落下して、篠田の肩を健《したゝ》か打てり、
 午前七時半、警官来れり、
 今や篠田の身は只だ一片の拘引状と交換せられんとすなり、大和は其の胸に取り付きて、鏡の如き涙の眼に、我師の面《かほ》を仰ぎぬ、
 篠田は徐《おもむ》ろに其背を撫《ぶ》しつ、「君、忘れたのか――一粒の麦種地に落ちて死なずば、如何《いか》で多くの麦|生《お》ひ出でん――沙漠《さばく》の旅路にも、昼は雲の柱となり、夜は火の柱と現はれて、
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