事の破裂するか、予測することが出来ないのです、是《こ》れは日本ばかりではありませぬ、万国に散在する私共の同志者は、皆な同一の境遇に在《あ》るのです――ですから、貴嬢《あなた》に謝罪して頂くと云ふ様な必要は無いと思ひます」
良久《しばらく》して彼女《かれ》は思ひ切《きつ》て口を開《き》きぬ「――貴所《あなた》の御同志が政府の憎悪《にくみ》を受けて居なさいますことは、兼々承知致して居りまするが、貴所《あなた》の御一身にのみ、不意の御災難が降り懸かると云ふのは、其処《そこ》に特別の原因がありまするので――そして其の機会を生み出しましたのは――私の――心の弱いからで御座います」
「――何と、篠田さん、御詫《おわび》致して可《よ》いのか」と、はふり落つる涙を梅子は拭《ぬぐ》ひつ「心乱れて我ながら言葉も御座いません――只だ一言《ひとこと》懺悔させて下ださいませうか」
「喜《よろこん》で御聴《おきゝ》申すで御座いませう」
……………………………………………………………………
「何卒、篠田さん、御赦し下さいまし――貴所《あなた》の、御災難の原因《もと》はと申せば、――私が貴所を御慕ひ申したからで御座
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