《あ》の様にお忙しい中で、私共のことまであれも是れもとお世話下さるんですもの、何《どう》して阿母《おつかさん》、世間態や人前の表面《うはべ》で、出来るのぢやありませんわねエ――近頃は又戦争が始まるとか、忌《いや》な噂《うはさ》ばかり高い時節ですから、夜分お帰りも嘸《さ》ぞ遅くて在《いら》つしやいませうねエ」
「左様《さう》ですよ、おつちりお寝《おや》みなさる間も無くて在《いら》つしやるので、御気の毒様でネ、ト云つて御手助《おてすけ》する訳にもならずネ――其れに又た何か急に御用でもお出来なされたと見えて、昨日新聞社から直ぐに御郷里《おくに》へ行らしつたのでネ」
「あらツ」と、お花は驚き顔「ぢや先生は御不在《おるす》なんですね――まア――何時《いつ》御帰宅《おかへり》になるんですの」
「端書《はがき》で言うて御遣《おつかは》しになつたのだから、詳しいことは解りませんがネ、明日の晩までには、お帰宅《かへり》になりませうよ、大和さんが左様《さう》言うてらしたから、だから花ちやん、丁度|可《い》い所へ来てお呉れだわネ、寂《さび》しくて居た所なんだから」
「私、まア――ぢや、私、お目に掛ること出来
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