》老人《としより》をお前、弄《なぶ》るものぢや無いよ、其れよりも、まア、何様《どんな》婦人《ひと》だか、何故《なぜ》連れて来ては呉れないのだ」
「伯母さん、最早《もう》、貴女《あなた》にも御紹介《おひきあわせ》した筈ですよ」
「虚《うそ》言うて」と伯母は口開いてカラ/\と打ち笑ひ「私《わし》がお前のお媽《かみ》さんを忘れて可《い》いものかの」
「サ、伯母さん、私の花嫁と云ふのは、其の『おかみさん』のことですよ」
「其のお媽《かみ》さんの名は何と言ふのだの」
「おかみさんと云ふのです」
「長二や、お前、何を言ふだ」と、伯母は又も声高く笑ふ、
「伯母さん、本当の話です、神様が私の花嫁のです、――父とも母とも花嫁とも、有らゆる一切です」
「ヘエ」と、伯母は良久《しばし》言葉もなく、合点《がてん》行かぬ気に篠田の面《おもて》を目《ま》もれり「お前の神様のお話も度々《たび/\》聞いたが、私には何分《どうも》解らない、神様が嫁さんだなんて、全然《まるで》怪物《ばけもの》だの」
「怪物ぢや無い、人ですよ、人の大きいのです、必竟《つまり》、人が神様の小さいのと思や可《い》いですよ」
「左様《さう》云ふ
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