ものかの」と伯母は思案の首傾けつ、
「現に伯母さん、貴女の所へ私の両親も来る、貴女《あなた》の旦那様も来ると仰《おつ》しやつたでせう――怪物でも、不思議でもありませんよ」
「だがの、長二や、其れは皆《みん》な私《わし》の知つて居る人達だが、お前の嫁の其の神様には、お前、お目に掛つたことがあるかの」
「左様《さう》ですねエ――思ひに悩む時、心の寂《さび》しい時、気の狂ほしい時、熟《じつ》と精神を凝《こ》らして祈念しますと、影の如く幻の如く、其の面《おもて》も見え、其声も聴こゆるですよ、伯母さんのと格別|違《ちがひ》ありますまい」
「其れは長二や、未《ま》だお前には早過ぎるやうだよ」と伯母は頭《かうべ》を振りぬ「私も結局|孤独《ひとり》の方が好いと、心から思ふやうになつたのは、十年|以来《このかた》くらゐなものだよ――今だから洗ひ渫《さら》ひ言うて仕舞ふが、二十代や三十代の、未《ま》だ血の気の生々《なま/\》した頃は、人に隠れて何程《どれほど》泣いたか知れないよ、お前の祖父《おぢいさん》が昔気質《むかしかたぎ》ので、仮令《たとひ》祝言《しうげん》の盃《さかづき》はしなくとも、一旦《いつたん
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