かうべ》をよせて、呼吸も絶えなんばかり、
 剛一は緊《しか》と抱きて声励ましつ「凛乎《しつかり》なさい――」
 老婆は只だ涙なり、「――お嬢さま――」

     二十二

 寝床《ねだい》の上に起き直りたる梅子の枕頭《ちんとう》には、校服のまゝなる剛一の慰顔《なぐさめがほ》なる、
「ナニ、姉さん、左様《さう》気をいら立てずと、最少《もすこ》し休んで在《い》らつしやる方が可《い》いですよ」
「けれどネ、剛さん、彼様《あんな》猛悪な心が、此の胸に潜んで居るのかと思ふと、自分ながら恐ろしくて堪《たま》りませんもの、――私は剛さん、奇魔《きれい》に死ぬことと覚悟して居たんです、彼様《あんな》乱暴しようとは、夢にも思やしませんよ、如何《どう》した突嗟《とつさ》の心の変化か、考へて見ても解らないの、矢ツ張り私の心が、怨《うらみ》と怒《いかり》に満たされて居たので、其れで彼《あゝ》した卑怯な挙動《ふるまひ》に出たのですねエ――今朝からネ、一人で聖書を読んだり、お祈《いのり》したりして居たんですよ、私もう――怖《こは》くて怖くて神様の御前《おんまへ》へ出られないんですもの――」
 梅子は身を顫《ふる
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